「Kさん!今日はどこへお出かけですか」~毎日が散歩日和~ file7

自宅玄関前

Kさんは60代後半の男性。ひとり暮らしです。
44歳のときに筋肉が少しずつ動かなくなる病気、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症されました。
病気が進むにつれて手足は動かなくなり、言葉も話せなくなりました。
気管切開をされ呼吸もサポートが必要です。そして感情が自分の意思とは関係なく表に出てしまうこともあります(感情失禁)。
でもその笑顔や声にふれるたび、私たち看護師は「Kさんが語りかけてくれている」と感じるのです。
心がふっと温かくなる瞬間です。Kさんの在宅生活はもう18年になります。
表情やまばたきなど、わずかなサインから思いを汲み取って、8人のベテランヘルパーさんたちが3交代で24時間体制、重度訪問介護を続けておられます。

Kさんのご自宅はバリアフリーに改装され暮らしやすい空間になっています。
その道を切り開いてくださったヘルパーさんたちは、Kさんにとってなくてはならない存在です。
ベッドのまわりには仏像や曼荼羅が飾られ、仏教の世界観に包まれた静かな空間が広がっています。
2階にはKさんが入院中に、唯一動かせる左手でパソコンを使って描かれた絵がたくさん飾られています。生と死のあいだで揺れ動く思いが色彩となって表現されているようです。まるで美術館のような空間です。
食事は胃ろうからの注入。痰の吸引、オムツ交換、身体の清拭、着替え、歯磨き等々すべてヘルパーさんたちが丁寧に行っています。
訪問診療、訪問入浴、訪問リハビリも利用されていて、訪問看護では全身状態の観察や排泄支援などを行っています。

釘抜き地蔵でのすてきな笑顔

そんなKさんにとって何より大切な時間があります。それは「散歩」です。
介護用リフトでベッドから車椅子へ。そして、いざ出発。
近くには千本ゑんま堂、釘抜き地蔵、北野天満宮、上七軒など風情ある場所がたくさんあります。
ときには車や電車に乗って遠くまでお出かけされることも。
「障害を隠すのではなく、障害があっても、この土地にこうして暮らしている人がいる。Kさんが社会とつながる扉を閉ざさないようにしたい」そう語るヘルパーさんの言葉が心に残ります。
Kさん!今日はどこへお出かけされますか。空は晴れています。
きっと、今日も散歩日和ですね……

在宅ケアチームわかば(事業所)連絡先

  事業所  管理者 TEL FAX
総合ケアステーションわかば(訪問看護)所長 田中 陽子075-451-0001075-451-1181
総合ケアステーションわかば(ヘルパー)所長 谷口 賢治075-451-2210075-451-2216
デイサービスわかば所長 三浦 昭彦075-432-1270075-432-4030
居宅支援わかば所長 野々村 浩之075-414-1955075-431-6216
京都市乾隆地域包括支援センター所長 小島 薫075-432-8677075-432-8128
咲あん上京所長 星 綾子075-415-7300 075-415-7311