「いちばん大切なクロちゃん」―Cさんの穏やかひとり暮らし file3
Cさんは80歳代の女性、身寄りがなくひとり暮らしでした。高血圧、変形性脊椎症がありました。Cさんは持病の腰痛と両足がむくんでおり、足をひきずりながらそろり、そろり部屋の中を歩いていました。
Cさんは認知症が進み、薬の飲む忘れが増え週2回で訪問看護が開始となりました。訪問看護が始まった頃のCさんは口数が少なく、人見知りでした。
Cさん「牛乳が嫌いなのに、訪問販売で無理やり契約させられた」と話されており、冷蔵庫の中を見せてもらうと腐った牛乳がたくさんあり、Cさんと二人で処分したこともありました。
Cさんの部屋には、たくさんのぬいぐるみが並べてあり、とくに猫のぬいぐるみに「クロちゃん」と名付けて大切にしていました。
Cさんはニコニコしながら「クロちゃんが一番好き!この子は病気にもならないし、絶対死ぬこともない」と猫のぬいぐるみを抱きながら話してくれました。
Cさんは、クロちゃんを胸に抱いて、ベッドに座ったまま朝まで寝ていたことが習慣で、それが原因で足がむくんでいたことがわかりました。

看護師は、Cさんの足のむくみがなくなるように、ティッシュの箱でクロちゃんのベッドを作り、Cさんとクロちゃんもベッドで寝てほしいと提案しました。
「まあ、かわいいクロちゃんのベッド!」と喜んでくれ、一時期クロちゃんとベッドで寝てくれましたが長くは続かず。足のむくみはひどくなっていきました。訪問看護で足浴や足のマッサージ、弾性ストッキングをはいて過ごしてもらうことにしました。
Cさんは、夜台所で転倒し、一晩中横になったまま翌朝ヘルパーさんに発見されました。発熱もしていたため緊急入院しました。入院中、両足を挙げて寝ていたせいか足のむくみがすっかりよくなりましたが、Cさんはすっかり元気をなくしてしまいました。
Cさんの元気がないのを心配し病棟看護師さんから訪問看護に電話が入りました。Cさんが一番大切にしているクロちゃんを、すぐにケアマネージャーさんが病院に届けてくれました。Cさんはすぐに「クロちゃん!」と言ってぬいぐるみを抱き寄せ、そのままベッドで安心して寝ることができたようでした。・・・・。
自宅で安心して暮していけるように、今日も訪問看護がこの街で走っています。
出典:糖尿病ケアプラス2024Vol.21no.1 108-109
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